砥部焼は、やわらかな藍の手描き模様と頑丈さが同居する日々の暮らしにしっくり馴染む器

砥部焼

愛媛県伊予郡砥部町を中心に作られる磁器「砥部焼(とべやき)」。国の伝統工芸品にも選ばれていますが、実はデザイン性と実用性を兼ね備えており日常使いにぴったりなのです。今回は、そんな砥部焼の魅力に迫ります。

愛媛を代表する磁器「砥部焼」の特徴とは

薄藍色の磁器、砥部焼

砥部焼は、愛媛県砥部町を中心に作られている磁器のことをさします。

地元で採れる陶石を用いた素地に、薄藍色で手描き・染付した食器や柔らかい発色の青磁の花器など、砥部焼は日々の暮らしをやさしく彩ります。

実用性とデザイン性を兼ね備えているうえ、頑丈で重量感があり、ひびや欠けが入りにくいという特徴があります。

砥部焼の多くは手作りのため、大量生産品とは一線を画します。手描きの模様が醸し出す独特の風合いがあるため、愛好家から評価されているのも頷けます。

また、四国発祥で全国的にも有名な「讃岐うどん」の器としても、砥部焼はよく使われています。

耐久性がありリーズナブル、日常使いに適した器

乾燥前の砥部焼

もともとは、砥石のクズを使い試行錯誤の末に完成したのが砥部焼の器でした。

不況の煽りを受けながらも、さまざまな人の手によって受け継がれながら進化を遂げ、1976年に国の伝統的工芸品に指定されるまでになりました。

伝統的な砥部焼の技法は現在も受け継がれていますが、最近では女性や若手陶芸家の手によるモダンな作品も増えてきました。

実用性とデザイン性が高い砥部焼の食器は、手作りや手描きの伝統を守っているため大量生産はできませんが、独特のぬくもりある風合いは使う人を幸せな気持ちにさせてくれます。

歴史ある建物で砥部焼と地元食材のコラボレーションを

モダンなデザインの砥部焼

愛媛県大洲市にある「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」は、由緒ある邸宅11室を上質な宿へと生まれ変わらせた歴史的建造物を活用した小規模分散型のホテル。

元々の建物が持つ良さを最大限に生かしつつ、機能性は現代風にアレンジ。そうすることで、土地の歴史を感じながらも快適でリラックスした時間を楽しめる空間になりました。入口も独立しており、全客室に檜風呂または客室風呂がついております。

こちらでは地産地消をベースにした、和でも洋でもないイノベーティブフュージョン料理を提供。そして、その料理をさらに引き上げてくれるのが地元愛媛が誇る砥部焼の器です。その土地の土で作られた器だからこそ、その土地の食材の魅力を最も高めてくれます。

レストランルアンで使用している砥部焼と料理

手作り・手描きの温かさと手頃なお値段、堅牢性が高く日常使いしやすいのが砥部焼の特徴。手作りの良さを受け継ぎながらも、現代に合うモダンな器も続々と登場しています。使う人のニーズに寄り添った器が、これからも砥部の産地から次々と送り出されてゆくことでしょう。

NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町の外観

NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町

所在地 愛媛県大洲市大洲378(フロント)
    愛媛県大洲市大洲888(レストラン)
公式サイト https://www.ozucastle.com/