フランス料理のコースメニューの名称と順番、食べ進め方を解説

正面からのフランス料理

最近はカジュアルにフランス創作料理を楽しめるようなビストロやフレンチバルが増えました。とはいえフランス料理の基本、一皿づつ提供される「コース料理」の順番と食べ方を知っていると安心ですよね。今回はフランス料理のレストランで提供される一般的なコースメニューと食べ進め方の基本をご紹介いたします。

フランス料理のコースメニュー

フランスコース料理

コース料理を提供されるフランス料理店では、シェフおすすめのフルコースメニューが用意されています。そのためオーダーする時に聞かれるのは、基本的にドリンクとメインディッシュを選びます。

メニュー表に書かれているフランス語は、およそ以下の通り。

  1. アミューズ Amuse-bouche
    ひと口サイズで食べられるような食前の一品。和食でいう先付、突出し、お通しのようなものです。
  2. オードブル Hors-d’œuvre
    メインディッシュの前にくる軽めのお料理で、いわゆる前菜のような一品です。
  3. スープ Soupe
    フランス料理では、とろみのあるスープまたはサラリとしたスープのどちらもポタージュといわれます。
  4. メインディッシュ Plat principal
    コースの主役となる魚または肉を使ったお料理。魚料理はポアソン(Poisson)、肉料理はヴィアンド(Viande)と呼ばれます。
    フルコースの場合は、魚料理と肉料理の間に口直しのソルベ(Sorbet)が提供される場合もあります。
  5. デセール Dessert
    食後のデザートとして甘いスイーツが提供されます。お店によってはチーズの盛り合わせなどのフロマージュ(Fromage)に替えられる場合もあります。
  6. パン Pain
    スープまたはメインディッシュと一緒に用意されるブレッドです。
  7. 飲み物 Boissons
    ボワソン(Boissons)とは、すべての飲み物を指す総称です。食前酒のことをアペリティフ(apéritif)といい、食後は「コーヒー(Café)」「紅茶/テ(Thé)」など具体名で案内されることが一般的です

フランス料理の食べ方

フランス料理の一皿

フランスのコース料理は一品ずつ提供されるため、それぞれの食べ方にマナーや注意点があります。

食前酒(アペリティフ)

席についたタイミングで、食前酒を聞かれることがあります。アルコールが飲めない場合は、断るだけでも問題ありません。食欲を高めるためのお酒なのでアルコール度数が軽いものが多いですが、ほとんどのお店では、代わりにソフトドリンクやノンアルコールを勧めてくれるのが一般的です。

  • シャンパン:champagne(シャンパーニュ)
  • 白ワインのカクテル:kir(キール)
  • ジントニック:gin tonic(ジントニック)
  • 甘いソーダ:soda(ソーダ)
  • 炭酸水:eau gazeuse(オー・ガズーズ)
  • ミネラルウォーター:eau plate(オー・プラット)
  • 結構です、いりません:Non merci.(ノン メルスィ)

“s’il vous plaît(シル・ヴ・プレ)” は、フランス語で 「お願いします」 や 「どうぞ」 にあたる丁寧な表現です。「Un champagne, s’il vous plaît.(アン シャンパーニュ、シルヴプレ)」「Une eau plate, s’il vous plaît.(ユヌ オー・プラット、シルヴプレ)」など、「アン/ユヌ」の使い分けもできればスマートですね。

前菜(アミューズ・オードブル)

前菜は、季節の野菜や魚介、パテやテリーヌなど、素材の味を引き立てる軽やかな料理が中心です。分量は少なめですが、メイン料理へ向けて食欲を高める役割があります。

ナイフとフォークは外側から使い始め、料理は一口大にして上品にいただきます。美しい盛り付けと、食材の組み合わせやソースの香りを楽しみながら、ゆっくり味わうのがマナーです。

スープ

前菜の後には、温かいスープまたは冷製スープが提供されます。スープはすすらないように、スプーンで少しづつすくって口へ流し入れるようにいただきます。熱いスープの時に、冷ますために息を吹きかるのはマナー違反なので控えましょう。

メインのお料理(ポアソンヴィアンド

メインディッシュは、席について注文する場合もありますが、前菜をいただいた後に決めても構いません。ハーフコースの場合は「魚料理」か「肉料理」を選んで、肉料理の場合は焼き加減を伝えれば良いです。フルコースであれば、魚料理も肉料理も両方用意されることが多いです。お店によっては、牛・豚・鴨、白身魚・サーモンなど複数から選べる場合もあります。

メインディッシュ

  • 魚料理:Poisson(ポアソン)
    切り身を裏返さないで食べましょう。魚と付け合わせが同じタイミングでなくなるようにバランスよく食べます。お皿にきれいに飾り付けられているソースはお料理に付けてかまいません。
  • 肉料理:Viande(ヴィアンド)
    はじめにお肉をすべてカットしておくのはやめましょう。魚料理と同様、付け合わせとバランス良く食べます。左端からお肉を切ると食べやすいですよ。(左利きの方は右側から切ります。)

肉料理の焼き加減

  • レア(表面だけ焼いて中身が赤い):Saignant(セニャン)
  • ミディアムレア(中が赤~ピンク):À point(ア・ポワン)
  • ミディアム(中が薄いピンク)  :Rosé(ロゼ)
  • ウェルダン(中も火が通っている):Bien cuit(ビアン・キュイ)

ワイン

メインディッシュにワインを合わせる場合は、メインを決めたタイミングで一緒にオーダーするのがベスト。白ワインか赤ワイン、種類など、ソムリエやウェイターと相談しながら注文すると自然です。
ウェイターがワインを注いでいる時にワイングラスには触れません。乾杯する時にワイングラス同士は当てずに、持ち上げるだけが本来のマナーです。飲む前にぐるぐると回す必要もありません。

パン

一口サイズにちぎって食べましょう。オードブルやメイン料理とともにいただきます。スープやお皿の周りのソースを、パンですくって食べても大丈夫です。ただし、お皿が真っ白になるまで拭いきってしまわずに適度に留めましょう。

デセール

フランス料理では、デセールは味覚を整えて食後の余韻を楽しむ大切な時間とされています。フォークとスプーンが用意されている場合は、基本的にフォークで支えながらスプーンでいただきます。アイスやムースなど柔らかいものはスプーンのみで問題ありません。ゆっくりと味わいながら、香りや温度の変化も楽しむ、豊かな食後のひとときです。

食後のドリンク(カフェ

食後には、コーヒー(カフェ) または 紅茶(テ) が提供されます。カップの持ち手が左側にある場合は右側に回してから持ち上げて飲みましょう。左利きの方は逆になります。

フランス料理のドリンクは「ボワソン」「ソフトドリンク」といった総称は使われません。選ぶ時は、以下のような具体的な名称を伝えます。

  • コーヒー:Café(カフェ)
  • 紅茶:Thé(テ)
  • ハーブティー:Infusion(アンフュズィヨン)
  • オレンジジュース:jus d’orange(ジュ・ドランジュ)
  • りんごジュース:jus de pomme(ジュ・ドゥ・ポム)
  • コーラ:Coca(コカ)
  • 炭酸水:eau gazeuse(オー・ガズーズ)
  • ミネラルウォーター:eau plate(オー・プラット)
  • 食後酒(コニャックなど):Digestif(ディジェスティフ)

フランス料理のコースは、形式に少し戸惑うこともありますが、ペースやマナーを気にしすぎずリラックスして食事することが大切です。今回ご紹介した基本を少し押さえておけば、ビストロやフレンチバルでも安心して楽しむことができるでしょう。フランス料理の一皿ごとの美しい演出と豊かな味わいをぜひ味わってみてください。

由緒ある文化財レストランでいただくフランス創作料理

綺麗に盛り付けられたお皿

全国にあるVMGレストラン・ルアンは伝統的建造物群保存地区に残る建造物、国指定文化財などを活かしてリノベーションした歴史あるレストランです。ご提供のフレンチ創作料理は、各地元のとれたて和の食材をふんだんに使っておりますので、そこでしか味わえないメニューでございます。

当レストランでは、ナイフとフォークだけでなくお箸もご用意しております。事前のご要望によってステーキや食材を一口に切り分けることもお受けいたしますので、お子さまからご年配の方までご安心してご利用くださいませ。

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