日本人が持つ美意識や和心を表す「詫び寂び（わびさび）」。日本人は季節と自然を身近に感じる暮らしをしてきました。四季の移り変わりに感じたことを、季語を用いて和歌、俳句にも残されています。今回は季節や自然の変化に美しさを見出す「詫び寂び」についてご紹介いたします。
詫び寂びとは
詫び寂びの「詫び」と「寂び」は似た意味を持つ言葉だと思われる方も多いですが、異なる意味を持ちます。「詫び」とは、静かに受けとめる、ありのままを受け入れる心。「寂び」とは、経年変化ともなう劣化や衰えによって生じる、趣のある美しさ。つまり「詫び寂び」とは、経年劣化によるさびや朽ちた美しさをたのしむことをいいます。
日本らしい詫び寂びを感じられるもの
日本の魅力を語るうえで欠かせないのが、雄大で多様な自然、歴史の重みを感じるまちなみ、そして人々が育んできた豊かな文化と芸術です。そこには「詫び寂び」という日本独自の美意識が息づいています。華やかさの中に潜む静謐、移ろいの中に見いだす永遠——。
ここでは、①自然 ②歴史町 ③文化芸術 の３つの観点から、日本の奥深い魅力を紐解いていきます。
①自然と季節に感じる詫び寂び
日本列島は緑豊かな山々と清流に恵まれています。ブナの原生林や杉林、渓流や苔生した岩肌に日本の景色の美しさを感じます。そして、春夏秋冬の季節の移り変わりを日々五感で味わっています。
例えば、雪解けの芽吹きは春の知らせ。桜が散る姿に春の終わりを感じます。セミの鳴き声に短い夏を想い、流木に身を置きます。キンモクセイの香りやコオロギの声に秋の訪れを知り、落ち葉に秋の終わりを見ます。冬はしんしんと降る雪、冷たく澄んだ空気を噛みしめます。
自然をありのまま受け入れ、過ぎゆく季節を静かに慈しむ心こそ詫び寂びそのものです。
②歴史町の古民家にみる詫び寂び
小京都や小江戸といわれる古い町並みには、歴史を感じる城跡、町屋、古民家などが残ります。昔の日本家屋は、湿気の多い日本独特の気候に合わせた通気性の高い造りになっています。
木造づくりは湿気を吸収・放出をすることで湿度を一定に保ち、深い軒は雨水や日差しを除け、土壁や漆喰、畳、障子には調湿、断熱などの効果があります。
自然と調和し、自然の材料が活かされた家屋は、紡がれてきた先人の知恵や技術が凝縮されています。洗練されたものには美が宿り、経年の美しさ、朽ちて尚その佇まいは詫び寂びの極みとなります。
③日本の美を表した文化と芸術の詫び寂び
自然を崇拝しその景観を取り込んだ日本庭園、水墨画のような枯山水は、詫び寂びを感じられる空間芸術です。茶室や陶器も詫び寂び文化の世界観、美の極みを表しています。
戦国時代の茶人、千利休は繊細な美を見い出す詫茶の精神を完成させました。当時きらびやかな渡来の器がもてはやされていた中、茶会を通して、質素で簡素でありながら素朴な色合いや味わいのある手触りの茶器の美しさに注目が集まり、詫び寂びの精神は広く伝わりました。
「詫び寂び」は、日本人が自然と共にある暮らしの中で慎ましく生き、移り行く風景を慈しみ育まれてきたもの。今も日本人の和心として紡がれてきた精神なんですね。
詫び寂びの世界観に魅せられる旅12選
日本全国の詫び寂びを味わえる観光地を厳選してご紹介します。自然と共存した歴史ある古いまちなみに癒されながら、 その土地の息づかいを感じるお宿で一休み。詫び寂びを存分に愛でる旅をご提案。
①【千葉県香取市】北総の小江戸
水郷の町として栄え、「北総の小江戸」と称される佐原。その風情あるまちなみは、重要伝統的建造物群保存地区にも指定され、江戸時代の面影を今に伝えています。また、日本の測量家・地理学者である伊能忠敬ゆかりの地でもあり、歴史ファンにも親しまれています。佐原の食文化も魅力で、小魚を串焼きにしたすずめ焼きや地酒、さつまいもなど、地元ならではの味覚を楽しむことができます。
【千葉 佐原】佐原商家町ホテル NIPPONIA
所在地：千葉県香取市佐原イ1708-2 KAGURA棟（フロント・レストラン）
千葉県香取市佐原イ1720 GEISHO棟（カフェ）
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.nipponia-sawara.jp/
カフェメニューは公式サイトのこちらのページをご覧ください。
カフェのみのご予約は、お電話いただきますとよりスムーズにご案内させていただけます。
関連記事：300年の歴史を誇る「佐原の大祭」。旅を特別にする文化体験
②【埼玉県秩父市】秩父千年の都
秩父市は、山々に囲まれた静かな地。かつて「武州の奥座敷」とも呼ばれ、古くから信仰と暮らしが息づいてきました。秩父神社や三十四観音札所を巡ると、自然の清らかさと静けさに心が満たされ、落ち着いた趣に包まれます。石畳の路地や古民家が、移ろいゆく季節の中でかつての日本の原風景をそっと語りかけてくれます。
【埼玉 秩父】NIPPONIA HOTEL 秩父 門前町
所在地 埼玉県秩父市宮側町17-5 MARUJU棟
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト https://nipponia-chichibu.jp
③【三重県伊賀市】忍者の里
伊賀流忍者で知られる伊賀市は、子ども連れや外国人観光客にも人気の観光地です。「伊賀の小京都」とも呼ばれる城下町には、伊賀上野城をはじめとする歴史的建築物が静かに佇み、素朴な風合いの伊賀焼や、地元で愛される伊賀牛などの特産品も楽しめます。歴史と文化が息づく町の風景は、訪れる人々に穏やかな時間を届けてくれます。
【三重 伊賀】NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町
所在地：三重県伊賀市上野相生町2842
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.vmg-igaueno.com/
④【三重県伊勢市】伊勢の台所
海や山、川の恵みが豊かに集まる伊勢市には、「伊勢の台所」と呼ばれる地元の食材を扱う市場や食のスポットがあります。江戸時代には伊勢神宮の参拝客が全国から訪れた町で、現在も当時の町屋や商家が静かに残り、往時の暮らしの面影を感じながらゆったりと散策を楽しむことができます。白壁と石畳の町の風景からは、時の流れに育まれた穏やかな美しさがにじみ出ています。
【三重 伊勢】NIPPONIA HOTEL 伊勢河崎 商人町
所在地 三重県伊勢市河崎2丁目8-20 TOKIWA棟（フロント）
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト https://vmg-isekawasaki.com/
⑤【奈良県奈良市】奈良公園と東大寺
奈良は、豊かな自然と深い歴史文化を同時に楽しめる町です。大仏で知られる東大寺をはじめ、古都奈良に点在する歴史的建築物の多くは、世界遺産にも登録されており、時代を超えて受け継がれる日本の美と文化の息吹を感じることができます。奈良公園には、世界に稀を見る野生の鹿と共存する人々の姿と、四季折々の景色を見ることができます。
【奈良 ならまち】NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち
所在地：奈良県奈良市西城戸町4
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.naramachistay.com/
⑥【京都府京都市】日本の古都
1200年前の平安時代の形が残る日本の古都、京都。伝統的な木造建築である京町家や多くの寺社仏閣があるまちなみは、どこを歩いても古来から続く日本らしさを感じられます。言わずと知れた日本の一大名所です。
【京都 岡崎】平安神宮会館
所在地：京都市左京区岡崎西天王町97
問合せ TEL 0120-210-189 VMGレストラン総合窓口
公式サイト：https://www.heianjingu.com/
アフタヌーンティー：https://www.heianjingu.com/party/afternoontea/
【京都 河原町】LE UN（ルアン）鮒鶴京都鴨川リゾート
所在地：京都府京都市下京区木屋町通松原上ル美濃屋町180
問合せ TEL 075-351-8541（11:00～21:00 火曜定休）
公式サイト：https://www.funatsuru.com/restaurant/
【京都 東山】LE UN（ルアン）アカガネリゾート京都東山1925
所在地：京都府京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町400ｰ1
問合せ TEL 0120-210-189 VMGレストラン総合窓口
公式サイト：https://www.arkh.jp/restaurant/
【京都 東山】HOTEL VMG RESORT KYOTO
所在地 京都市東山区下河原町463-23 寧々棟
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト https://vmg-kyoto.com/
【京都 東山】HOTEL VMG VILLA KYOTO
所在地 京都府京都市東山区高台寺北門前通下河原東入鷲尾町523番地
※ご来館の際は、寧々棟（下河原町463-23）へお越しください。
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト https://villa.vmg-kyoto.com/
⑦【兵庫県丹波篠山市】丹波の小京都
大阪から最も近い小京都といえば丹波篠山。豊かな自然の山々に囲まれた静かな地にあり、白壁が続く篠山城下町の美しいまちなみを楽しむことができます。城下町を歩きながら、丹波の黒豆や丹波栗、山の芋などのブランド食材を味わったり、六古窯の一つである丹波立杭焼の工房を訪れたりすることで、丹波の文化と伝統を肌で感じることができます。
【兵庫 丹波篠山】篠⼭城下町ホテル NIPPONIA
所在地：兵庫県丹波篠山市西町25
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.sasayamastay.jp/
⑧【兵庫県朝来市】竹田城跡
天空の城、日本のマチュピチュと称される竹田城跡は、幻想的な雲海が観られる一大名所として知られています。霧に包まれた石垣が静かに浮かぶ姿は、時の流れとともに朽ちゆく美がり、華やかさよりも静謐を感じさせます。関西圏の日帰り旅行や一泊旅行にぴったりの癒やしの地です。
【兵庫 朝来】⽵⽥城 城下町 ホテルEN（エン）
所在地：兵庫県朝来市和田山町竹田字上町西側363
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.takedacastle.jp/
⑨【広島県竹原市】安芸の小京都
江戸時代より三百余年、塩づくりの町として栄えた竹原は、かつて瀬戸内に名を馳せた塩の名産地でした。たけはら町並み保存地区（重要伝統的建造物群保存地区）には、往時の面影を今に伝える町家は、時の流れとともに深まる木の色艶や風化の美に詫び寂びの趣が漂います。歴史の余韻を静かに伝えるその景観は、「安芸の小京都」として訪れる人々の心を穏やかに魅了します。
【広島 竹原】NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町
所在地 広島県竹原市中央3丁目16-33（フロント）
広島県竹原市本町1丁目4-16 HOTEI棟（レストラン）
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.nipponia-takehara.com/
⑩【愛媛県大洲市】伊予の小京都
江戸時代の工法を忠実に再現した稀少な木造づくりの大洲城がそびえるこの歴史町には、時を重ねた木の温もりと静かな風格が漂います。四季折々に表情を変える山々と肱川の流れを望む臥龍山荘は、自然と人の調和の中に詫び寂びの心を映す名所です。夕暮れの川面に灯る伝統漁・合わせ鵜飼の灯火や、手仕事の温もりを伝える砥部焼にも、静けさの中に宿る日本の美が感じられます。
【愛媛 大洲】NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町
所在地 愛媛県大洲市大洲378 OKI棟（ホテルフロント）
愛媛県大洲市大洲888 SADA棟（レストラン）
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.ozucastle.com/
⑪【福岡県太宰府市】遠の朝廷
古代より九州の政治・文化の要として栄えた太宰府市。学問の神様、菅原道真が祀られる太宰府天満宮には今も多くの参拝者が訪れます。梅の花が静かに香る町並みや苔むした石畳には、歴史の重みと共に、時の流れの中で深まる静謐な情緒が訪れる人々の心を穏やかに包みます。歴史と自然が織りなす調和の中に、移ろいゆく季節の美しさがしみじみと感じられる町です。
【福岡 太宰府】HOTEL CULTIA 太宰府
所在地：福岡県太宰府市宰府3-3-33
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.cultia-dazaifu.com/
⑫【福岡県八女市】筑後の茶どころ
九州の山里、八女市は茶どころとして古くから知られています。白壁のまちなみが静かに残る八女福島に訪れると、町中に上質な八女茶の香りがそっと漂い、時間の経過が染み込んだ石畳や軒先に暮らしの趣が宿ります。職人たちの技と心が織りなす風景には、華やかさよりも静謐と人のぬくもりが重なり、しみじみとした美しさを感じさせてくれます。
【福岡 八女】NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町
所在地：福岡県八女市本町西京町204
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口（11:00～20:00）
公式サイト：https://www.yame-fukushimastay.com/
今回厳選してご紹介した他、全国にある VMGホテル・ルアンの会場 はどれも歴史ある建物ばかりです。
旅先でのお食事も、地元で採れたばかりの旬の食材をふんだんに使った創作料理をお召し上がりください。日常から離れて、自然や日本の歴史・伝統に触れる体験は、きっと人生において価値ある時間になりますよ。次の休日はぜひ、日本の魅力を五感で味わう旅に出かけてみませんか。
VMGホテル・ルアン各会場 お問合せフリーダイヤル
TEL 0120-210-289
VMG総合窓口（11:00～20:00）
